最近チーム内でレビューをし合うことが多くなりました。
今のチームに一人、「レビュー」に対してネガティブな感情を強く持っているメンバーがいます。
レビューとなると縮こまり、何か述べると「すみません」と言う。
謝られると悪いことをしている気持ちになり、次第にレビューもしづらくなってきてしまいます。
また、彼は自分のoutputに自信がないことも見て取れ、「わからないので、どれが良いか聞きたいです」といった形でレビューを求めてくることもしばしば。
私たちはその質問に対していつも何を答えればいいのか困り果てます…
「そんなこと聞かれても…私もわからないよ…」
このままでは、心理的安全性も悪く、良いレビュー、良いディスカッションができないと思い、この超有名な本をチームメンバー全員で読むことを勧めました。
Amazonの本の紹介
しかし本来の「批評」というものは、~中略~ デザイン・制作に関わるすべてのひとが、本来の目的にそってその成果物をよりよいものにするために行うべきものです。
デザインにおいて何が機能しているのか(あるいは機能していないのか)、目的を達成するために、今採用しているデザインは正しいのかどうか。
そういったことを建設的に議論できる場を制作のプロセスに取り入れれば、もっともっとよいデザインが生まれるはずです。
本書では、デザイン・コミュニティで著名な2人の著者が、その豊富な経験から生まれた教訓を活かし、よいフィードバックと悪いフィードバックについてや、「批評」を制作プロセスに組み込むためのヒント、実行可能なアドバイスや会話のテクニック、チーム内や対クライアントとのコミュニケーションやコラボレーションの構築のしかたなど、本来目指すべきかたちで、よりよいデザインを生み出すための方法を解説しています。
◉ 大事なポイントまとめ
批評とは
- 批評とはつまり、クリティカル・シンキングである
- 批評とは目的に照らして何かを分析することである
批評をする際には
- はじめに、参加者間で目的をきちんと共有する
- どの要素が目的達成に機能しているのかを基準に考える
- 目的を忘れない(話が進むと脱線しがち)
批評する側のスタンス
- 思い込みをしない
- 押し付けをしない
- 長所についても話す
- 問題解決を避ける
- 「どうして〜したの?」という聞き方をしない(「〜した理由が知りたいです」とする)
批評される側のスタンス
- 事前に、批評してほしい成果物を共有する。当日「これです!」とサプライズで発表しない
- 目的をきちんと説明する
- 聞く気もないのに批評してほしいと言わない(誉めてほしいだけNG)
◉ 本を参考にレビュー会をした結果
「目的を明確にし、その目的を達成しているか否かについて話し合いを進めている」
という共通認識を持てたことです。これが一番良かったと思います。
この共通認識があることで、レビューされる側によくありがちな「自分が否定されている」感覚を打ち消すことができました。
また、意見も目的達成に沿ったものしか出ないので、とっ散らかることがありません。
何を改善すべきかの取捨選択もできます。
こりゃ良い。まだ始めたばかりだけど、良いレビューが続けられそうな気がする。
今は素直に嬉しいです!
◉ まとめ
「デザイン」とは「情報を伝える手法」です。
なので当然ながら、「デザインの良し悪し」は、条件下で正しく情報を伝えられるかどうかで変わってきます。
ただ漠然と「わからないので、どれが良いか聞きたいです」と言われても困るというのは、そういう理由があるからです。
とかく、デザインレビューは無意識のうちに好き嫌いが出やすいですよね…あるあるです。
そして、結局どう修正していいか分からずに迷宮に迷い込む悲劇…
最近は、デザインに限らず、記事のレビュー会などもしますが、もうそうなってくると好みすら関係なくなってくるので「うーん…いいんじゃない…?」なんて曖昧な意見が出てしまうこともあります…(これもまた悲劇。)
この本のおかげで、そういった悲劇を避けることができてきている気がします。
今後もチーム内の共通認識を持ち続け、誰も疲弊しない、健全で建設的なレビューをしていきたいです。
私は現在デザイン業界の人間ではではないのですが、この本に書いていることは、所謂デザイン物だけではなく、企画書、記事など創作される「全ての成果物」に通じます。
本当に良書!ありがとう!
FYI)デザインレビューについては過去にこんな記事を書いてます
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