デザインのラフ案を提出 → 上司・先輩がフィードバック → 修正案を再提出
デザイン業ではよくある光景です。
少し前、後輩ちゃんがこのような流れで上司にフィードバックを求めたときのことです。
上司は経験も豊富で、もちろんスキルも高い。
彼は、後輩ちゃんの出した案に対して的確にフィードバックをし、さらにフィードバックを適用させたデザインを「例えば、こんななんじとかどうかな?」と出してくれました。
そのフィードバック案は、ほぼ完成形に近い仕上がりのデザインに思えました。
(おそらくチームのみんながそう思ったと思います。)
後輩ちゃんは素直なので「ありがとうございます!こちらを受けて修正します!」とお返事。
そして、次に出てきたものは、上司のフィードバック案のフォントを明朝からゴシックに変えて、ちょっと位置を変えた「類似」デザインになっていました。
わかる。
わかるよ・・・。
これ、ここからどう修正して良いのか分からなくなったんだよね・・・
スキルが高い上司や先輩のアドバイスを聞いていると「え?これで良いんじゃない?」と思ってしまいます。
「じゃあ、こんな感じで修正してみて」と言われても、ぶっちゃけここから何を修正すれば良いのかわからなくなる。
結果、「ちょっとだけフォント変えてみた。」や「ちょっと位置をいじってみた。」など、9割そのままで出してしまう経験ある方もいるのではないでしょうか。
(私はあります。)
この9割そのまま修正案問題には他にも理由があると私は思っておりまして。
例えば、せっかくの提案を無下にしたと感じられるのではないかという不安とか、提案を採用しないことの申し訳なさとか、デザイナーではない会社人間の部分が邪魔をしてしまいます。
そんなことでいちいち怒るようなディレクターとかは在り得ないとは思うものの、なんとなく捨てきれない、そういった感情が渦巻いていることも一因としてあるのでは?と感じています。
それは、自分に自信がないからかもしれません。
カドを立てたくない、という日本人的な感情なのかもしれません。
そんな感情、非常にバカバカしいんですけどね。気になってしまうのが人間ってもんですよね・・・
「良いデザインチームとは、ルールを持ちつつ、表面的にそれに従うのではなく、そのルールの背景や理由を理解していることで、自由にやっても結果として表現が個別の目的を達成しつつブランドを体現するものとなっている、という状態だと思っています。」
その上司のお言葉です。
フィードバックは表面的に受けとるものではない。
何を意図しているのか、要素を分解して落とし込み、そして自分なりにデザインし直す。
遠慮もない、いいデザインを作るための、いいチーム。
色々なことに遠慮がちになって忖度してしまう私には、ハッとさせられた一件で、当事者ではないですが、とても勉強になりました。
0コメント